【Excel VBAでハッシュテーブルを使う方法】

ExcelVBA

ハッシュテーブルは、データを高速に検索するためのデータ構造です。Excel VBAでは、Scripting.Dictionaryオブジェクトを使用して、ハッシュテーブルを実装することができます。

使用の手順

以下は、ハッシュテーブルを作成する基本的な手順です。

1.Scripting.Dictionaryオブジェクトを作成

Scripting.Dictionaryオブジェクトを作成します。
オブジェクトのため、’Set’を使ってインスタンスを作成します。

Dim hashTable As Scripting.Dictionary
Set hashTable = New Scripting.Dictionary

2.ハッシュテーブルにデータを追加

ハッシュテーブルにデータを追加します。
‘key’と’Value’の重複はできません。

hashTable.Add "Key1", "Value1"
hashTable.Add "Key2", "Value2"
hashTable.Add "Key3", "Value3"

3.ハッシュテーブルからデータを取得

ハッシュテーブルからアイテム(Item)を取得します。

Dim value As String
value = hashTable.Item("Key1")

4.ハッシュテーブルからデータを削除

ハッシュテーブルからデータを削除(Remove)します。

hashTable.Remove "Key1"

5.ハッシュテーブル内のキーの数を取得

ハッシュテーブル内のキーの数を取得(Count)します。

Dim count As Integer
count = hashTable.Count

6.ハッシュテーブル内のすべてのキーを取得

ハッシュテーブル内のすべてのキーを取得(Keys)します。

Dim keys() As Variant
keys = hashTable.Keys

7.ハッシュテーブル内のすべての値を取得

ハッシュテーブル内のすべての値を取得(Items)します。

Dim values() As Variant
values = hashTable.Items

8.ハッシュテーブル内のデータ有無を調査

ハッシュテーブル内のデータ有無を調査(Exists)します。

If Not hashTable.Exists(i) Then ' ハッシュテーブル内に数値が存在しない場合
    hashTable.Add i, "" ' 数値をハッシュテーブルに追加する
End If

ハッシュテーブルの中身を確認しないで、データの追加等を行った場合はエラーとなるため、注意が必要です。

ハッシュテーブルは、Excel VBAで大量のデータを効率的に処理するための非常に便利なデータ構造です。上記の手順を使用して、ハッシュテーブルを作成して、データを追加、取得、削除し、必要に応じてキーと値のリストを取得できます。

ハッシュテーブルの参照設定と利用例

ハッシュテーブルの作成には、Scripting.Dictionaryオブジェクトを使用することができますが、このオブジェクトを使用する前に、次のように参照設定を追加する必要があります。

  1. VBAエディタを開き、ツールメニューをクリックします。
  2. 参照設定をクリックします。
  3. Microsoft Scripting Runtimeを選択し、OKをクリックします。

これで、Scripting.Dictionaryオブジェクトを使用する準備が整いました。

また、ハッシュテーブルは、通常、一意のキーを使用してデータを格納するために使用されます。データの重複を許す場合は、Scripting.Dictionaryオブジェクトの代わりに、Collectionオブジェクトを使用することができます。

以下は、ハッシュテーブルを使用して、重複のないランダムな数値を生成する例です。

Sub GenerateUniqueRandomNumbers()
    Dim hashTable As Scripting.Dictionary
    Set hashTable = New Scripting.Dictionary
    Dim i As Long
    
    Do While hashTable.Count < 10 ' 10個のランダムな数値を生成する
        Randomize
        i = Int((100 * Rnd) + 1) ' 1から100までのランダムな数値を生成する
        If Not hashTable.Exists(i) Then ' ハッシュテーブル内に数値が存在しない場合
            hashTable.Add i, "" ' 数値をハッシュテーブルに追加する
        End If
    Loop
    
    Dim keys() As Variant
    keys = hashTable.Keys ' ハッシュテーブル内のすべてのキーを取得する
    
    ' ランダムな数値を表示する
    For Each key In keys
        Debug.Print key
    Next key
End Sub

この例では、ハッシュテーブルを使用して、重複のないランダムな数値を生成しています。ハッシュテーブル内に数値が存在しない場合にのみ、ハッシュテーブルに数値を追加するため、重複する数値は生成されません。

以上が、Excel VBAでハッシュテーブルを使用する方法です。ハッシュテーブルは、大量のデータを処理する場合に特に便利なデータ構造であり、Scripting.Dictionaryオブジェクトを使用することで、簡単に実装することができます。

ただし、ハッシュテーブルはメモリを多く消費するため、大量のデータを扱う場合は、メモリ使用量に注意する必要があります。また、ハッシュテーブルは要素の追加、削除、更新が高速であるため、値の順序を維持できないという欠点があります。したがって、順序を維持する必要がある場合は、他のデータ構造を使用する必要があります。